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「何の騒ぎですか、一体?」
バックヤードから聞こえてきた声に守が振り返った。
「あ、おはよう。瀬尾君」
現れたのは適度に焼けた健康的な男。
爽やかさを売りにでもしているのか無駄に笑顔を振りまいている。
なかなかの男前だがこれだけの面子が揃っているので若干埋もれ気味だ。
「おはようございます」
夜の世界はどんなに時間が遅かろうが挨拶は「おはようございます」が基本だ。
「よう、新人」
楓が耳を未だにいじりながら片手を上げる。
「楓さん、新人って俺もう三年目なんすけど」
唇を突き出しながらふてくされる姿に未だ子供っぽさを感じる。
「俺から見たらまだまだ新人。だって俺ここ歴七年だもーん」
「楓さんと比べないでくださいよ。そんなん言ったらいつまでも俺、新人じゃないですか」
「諦めろ」
「意味わかんないっす。いい加減名前で呼んでください。あ、馨さん、お久しぶりです。……ってかなり酔ってません?目が据わってる……」
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