偶然か必然か

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  「いやいや、守さん。やっぱ仕事してる男ってかっこよく見えるじゃないですか!しかもバーテンのこの格好ってかなりポイント高めですし!」 嬉々として熱弁する瀬尾に三人が呆れた顔を浮かべる。 「お前の先輩って女?」 馨が頬杖をつきながら瀬尾を見上げる。 気だるげな様子がいつも以上に色気を醸し出している。 瀬尾はその色気にたじろぎながら何とか踏みとどまった。 日々の鍛錬の賜物か 「先輩は男なんすけど、一緒に来る人が……」 瀬尾は思い出したかのように顔を赤らめる。 「え?何、そのうぶな反応?かーわいー」 けらけら笑う楓に守が呆れた視線を向ける。 「楓さん今日ホント楽しそうですね」    「うん。超楽しい」 へらっと笑う男は随分ご機嫌だ。 「からかわないでくださいよ。てか、先輩達きても近づかないでくださいよね。馨さんも楓さんもあと、守さんも!」   この三人に会わせたらあの子でさえ惚れてしまう可能性がある。 堪ったもんじゃない。
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