偶然か必然か

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「なんだよーいいじゃん。減るもんじゃないし」 「減ります。確実に」 至極真面目に答えたのに三人ともそれぞれに笑いを浮かべた。 「そこまで言われたら瀬尾君のお気に入りの子が気になっちゃうな」 片目を瞑る悪戯な仕草をする守はかっこよく、様になる。 「やめてください!ウインクも禁止!」 「別に獲って食やしないって」 「いや、確実に食うでしょあんた!」 にやける楓に説得力のかけらも見当たらない。 「そこまで可愛い子なのか?」   楓は面食いだ。しかもかなりの。 その楓をここまで拒否するのなら、なかなかのものだろう。 「馨さん、それは愚問ですよ。天使です。あの子は。年下なんすけど俺が敬語使っちゃう位綺麗過ぎてびっくりしますよっ…てうわー!楓さんの好奇心擽っちまったー!!」 瀬尾の言葉にきらきら目を輝かせた楓に気付いて墓穴を掘ってしまったと頭を抱えた。
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