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「可愛いね~」
楓はニヤニヤと笑いながら瀬尾の背中を見送ると、すぐにカウンター越しにいる守に向き直った。
「あれ?気にならないんですか?瀬尾君の天使」
意外そうな顔をして楓を見れば、肩を竦められた。
「からかう対象がいないのに興味ないもん見るほど暇じゃないんです」
「結構食いついてたみたいでしたけど」
くすくす笑う守に馨も同意するように頷いた。
「からかってただけだって。お子ちゃまの片思いの相手なんて興味なぁし」
ひらひら手を振る楓を横目に、そういえば結構ドライな性格してたなこいつ。と思いつつ馨はロックグラスを傾けた。
「守ちゃんの方こそ気になってんじゃないの~?」
「あ、分かっちゃいました?」
あっさりと悪びれもせずにっこり答える守に、楓はからかいがいのない奴っと口を尖らせた。
「守も結構悪趣味だな」
呟いた馨の言葉は守の耳には届かなかったようだった。
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