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そんな二人をくすりと笑う千草の顔が少しすっきりして見えるのは気のせいではないだろう。
良一郎は心の中でそっと息をついた。
二人が通された席はピアノの近くのソファー掛けのテーブル席。
二人は目立つ容姿のために、一瞬周りの視線を集めたが、大人な客が多いためか、すぐに落ち着きだした。
それでもたまに投げられる視線も、二人は特に気にした様子もなく穏やかに会話を始める。
そんな二人を瀬尾は内心、俺の知り合いなんですよー!羨ましいでしょう!と自慢しまくりたい感情をぐっと押さえつけつつ、オーダーを通しにカウンターに戻った。
後ろ髪を引かれる。
うう、こんなことなら一緒に客としてくれば良かったかも…
溜息は深い。
「守さん、オーダーお願いします。ツィラタールとストロベリーロワイヤルを」
守はうなづいてストロベリーリキュールの瓶を手に取る。
「あま~い、可愛いチョイスじゃん」
楓がにやけながら絡んできた。
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