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「ですが。」
「殿。そのくらいにしてさしあげないと刹那殿がお困りですよ。」
と直盛の奥さんの千賀さんがそう止めてくれた。
奥さんにそう言われてはさすがの直盛も止めざるおえなかったのか。
やっと開放してくれた。
俺は井伊家の屋敷の近くにある龍潭寺に立ち寄り心を落ち着かせていた。
「刹那様。」
座禅を組んでいた刹那の後ろからそう声が聞こえたので後ろを振り返るとそこにはおとわがいた。
「あぁ、おとわちゃんか。龍潭寺に来ていたんだね。」
「はい、幼き頃より来ているので習慣のようになってしまいまして。」
「そうだったんだね。」
「刹那様、父が無理な願いを申しまして申し訳ございません。」
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