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男にキスなんかされたら絶対に吐くと思っていたのに、経験値の高いキスに自由はすでにクラクラし始めていた。
慣れた手つきで服を次々に剥ぎ取られ、ベッドに押さえつけられ首筋を吸われる。
「待っ、待って! 無理ッ無理ッ!」
力では勝てないとわかっていても自由は必死に抵抗した。
「──大丈夫。最後までちゃんと出来たよ」
「ア、アンタが勝手にしたんだろっ!」
裸でベッドを這って逃げようとする自由の細い腕を掴んで簡単に男は引き戻す。肩をシーツに押さえつけられ真上にある男の目と合う。
「君は支払い能力もないのにあんなに食べたんだよ? それについてどう釈明するの?」
黒く濃い瞳をギリギリまで近付けて男はまた静かに笑った。自由はさっきから恐怖で寒気とで冷や汗が止まらない。
声を出すことを忘れた唇はまた深いキスで塞がれ、自由は覚悟するみたいにギュッと目を瞑った。
──気を失ってしまいたい……。
自由はそう必死に願ったが、もちろん簡単に気など失うことはなかった──。
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