第二話 『常識の勉強と魔法の練習』

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 次に重要なのが《属性》と《適性属性》のふたつ。  ゲーム好きならなんとなく分かると思うけど、魔法には火やら水やらの属性があり、人がそれぞれ持つ適性によって相性が変わる。  適性属性とは、いわば体質であり才能だな。  人型の種族であればみんな、最低ひとつはあるらしいが、それはすべて生まれる前に決まり、後天的に新しい適性を得ることはできないとされている。  仮に火の適性がある場合は、火魔法の効率が上がり、水魔法の効率は下がる。  より正確には、火適性があれば、火魔法の魔力消費量が通常より少なく済んで効果も増す。  逆に火適性と相性が悪い水属性は、魔力消費量が多くなるうえに魔法の効果まで弱くなる。  要は一長一短……なのだが、それでも火と水の適性が両方ともあれば、そのときはデメリットなしでどちらの恩恵も受けられる。  まあ、複数の適性に恵まれるほど幸運な人はそうそう居ないらしいけど。  ちなみに、人は自分の適性属性と同属性の《耐性》も備えているらしい。  火属性なら火耐性、水属性なら水耐性というふうにすべて共通している。  ただし、その効果の度合いは十人十色。  同じ火耐性でも、大火の中を散歩できるヤツもいれば、数秒とろ火に触れただけで火傷してしまうヤツもいる。  これも素質の差ってことだ。  次いで魔法を使う方法。  これは大きく分けて二種類ある。  ひとつめは《魔法式》と《詠唱》による行使。  最初に魔法式を演算して、魔法発動の《基盤》となるものを組み立てる。  本の挿絵を見るに、脳内で魔法陣を作っていくようなイメージかな。  そのあと各魔法ごとに設定されたキーワードを正確に詠唱すると、体内の魔力が流れ動き、それが先述の《基盤》に通った段階で初めて魔法の使用が可能となる。  で、ふたつめは《魔法陣》による発動法。  そもそも魔法陣とは、あらかじめ演算された魔法の《基盤》がいくつも組み合わさったものを言う。  そこには使用者の魔力を操る魔法式なども含まれているため、詠唱も属性も関係なく、魔法陣に適量の魔力を通すことさえできれば誰でも簡単に魔法が使えるとか。
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