我聶丸

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そして家には私一人が残った・・ 「どうした、眠れないのか? やっぱり俺が欲しいのか? 今夜は十五夜だ、女は皆男を欲しがる」 「そうなの?」 「ああ、満月は女の心の箍をはずすからな」 「たが?」 「此は駄目だ、あれは駄目だって普段は我慢して暮らしてるだろ? その我慢する心の事だ」 そう言うと私に口付ける。 「待って、私まだ十六なの、 そんな事したことないの。 それに男の人を好きになった事だってない」 「好きじゃなくても欲しかったら出来る。 それに十六なら子供だって産める。 俺の時代の女は十四、五で嫁に行って十六には母親になってた」 (俺のって・・ いつの時代なのよ・・) 「私は貴方の時代の女じゃない。 この時代の十六はまだまだ子供なの」 「お前は俺が欲しくないのか?」 「えっ?」 「俺はお前が欲しい」 何を言われたか分からなかった。 彼の手が私の胸を包む。 (いや!恐い!) そう思うのに声が出せない。 何度目かに彼が私に口付けた時には、彼の体臭がまるで麝香のような香りに変わる。 その香りか私の身体の自由を奪う。 (駄目・・まだ恐い・・) そう思った時、彼が身体を離した。 「ごめん、 まだ力が出せない。 次の満月まで待ってくれ」 私はほっとしながらも少しだけ気が抜ける。 「でも、せっかくだから、お前だけでもイカせてやるよ」 「えっ? イカせて・・ え~」 彼の手が私の一番大切な所に触れる。 (や、やだ) そう思うのに身体が彼の指を受け入れる。 そのうちにぐじゅぐじゅと音を発てた。 「気持ちいいか?」 (変・・いい) 気持ちは嫌だと思うのに身体が彼の指に反応する。 「ここは?」 彼の言葉に頭が白くなる。 (何か変・・息ができない) そう思った瞬間声が漏れる。 「イツてもいいぞ」 彼の声に私は気を失った。
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