19人が本棚に入れています
本棚に追加
そして家には私一人が残った・・
「どうした、眠れないのか?
やっぱり俺が欲しいのか?
今夜は十五夜だ、女は皆男を欲しがる」
「そうなの?」
「ああ、満月は女の心の箍をはずすからな」
「たが?」
「此は駄目だ、あれは駄目だって普段は我慢して暮らしてるだろ?
その我慢する心の事だ」
そう言うと私に口付ける。
「待って、私まだ十六なの、
そんな事したことないの。
それに男の人を好きになった事だってない」
「好きじゃなくても欲しかったら出来る。
それに十六なら子供だって産める。
俺の時代の女は十四、五で嫁に行って十六には母親になってた」
(俺のって・・
いつの時代なのよ・・)
「私は貴方の時代の女じゃない。
この時代の十六はまだまだ子供なの」
「お前は俺が欲しくないのか?」
「えっ?」
「俺はお前が欲しい」
何を言われたか分からなかった。
彼の手が私の胸を包む。
(いや!恐い!)
そう思うのに声が出せない。
何度目かに彼が私に口付けた時には、彼の体臭がまるで麝香のような香りに変わる。
その香りか私の身体の自由を奪う。
(駄目・・まだ恐い・・)
そう思った時、彼が身体を離した。
「ごめん、
まだ力が出せない。
次の満月まで待ってくれ」
私はほっとしながらも少しだけ気が抜ける。
「でも、せっかくだから、お前だけでもイカせてやるよ」
「えっ?
イカせて・・
え~」
彼の手が私の一番大切な所に触れる。
(や、やだ)
そう思うのに身体が彼の指を受け入れる。
そのうちにぐじゅぐじゅと音を発てた。
「気持ちいいか?」
(変・・いい)
気持ちは嫌だと思うのに身体が彼の指に反応する。
「ここは?」
彼の言葉に頭が白くなる。
(何か変・・息ができない)
そう思った瞬間声が漏れる。
「イツてもいいぞ」
彼の声に私は気を失った。
最初のコメントを投稿しよう!