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やっぱり痛い。でも、さっきみたいに物理的に入らないって状態じゃない。ゆっくりと、狭いながらも濡れ広がって彼を求めて止まないそこが高梨くんを受け入れていく。ひりひりする痛みは止まらないけど。
それだけじゃない、じんわりするたまらない悦びが同時に奥からこみ上げてくる。わたしは甘い声を喉から漏らし、彼を引き寄せて唇を吸った。
「…たかなしくん」
キスの合間から名前を呼ぶ。
「すごく、いいよ。…なんか、気持ちいい、これ」
「あ…っ、俺も」
彼は切なげに乱れた息の下から囁いた。
「ひまわり。…いい、すごい。こんな…ん、っ」
わたしたちは初めての感覚に興奮した身体をコントロールしきれず、無茶苦茶に腰を絡めあった。恥ずかしいも何もない。ただ、ここを満たし合いたい。
高梨くんにわたしでいって欲しい。
「ヒカル」
わたしは腰を振りながら切なく喘いだ。
「もっと。…感じて。あたしで。…ここ、滅茶苦茶に…、して…」
訴えながら切なさでそこがぎゅん、となる。その途端、彼がびくんと身体を強張らせた。急に忙しなく喘ぐ。
「んっ、あ、ひまわり。…あっ、も…ごめ、…!」
わたしをぎゅうっと抱きすくめ、そのままびくびくっ、と小さく痙攣する。と思ったら、ぐったりと力を抜いてわたしに体重を委ねてきた。
わたしはその背中にそっと腕を回した。よくはわからない、けど。
もしかして。…終わっ、た?
「…高梨くん」
気遣わしげな声を恐るおそるかける。彼はまだわたしの中に入ったままだけど。
さっきまでのはち切れそうな、中を一杯に押し拡げるような硬さはもう感じられない。彼が満たされたならいいんだけど。
「だいじょぶ?…気持ちよかった?ちょっとは」
「…うん」
ようやくゆっくりと動き出す。両腕をわたしの身体に回し、きゅっと力を込めるとため息をついた。
「急に、終わっちゃって。…ごめん。すごく、痛い思いも、させた」
いったんだ。よかった、純粋に嬉しい。わたしは胸の奥から笑みがこみ上げて彼に頬を寄せた。
「全然平気。高梨くんが少しでも満足できたんならいいと思うけど。それに、もう痛くないよ。最初だけだと思う、あんなの」
全く痛くないわけじゃない。あの場所にひりひり、ずきずきする感覚が急に蘇ってきた。さっきまで夢中だったからあまり強く感じなかったんだと思う。
でも、次からはきっともうあんなことはない。それは何となくわかる。
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