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切り出してみなきゃ始まらない。高梨くんだってわたしのことを好きって言ってくれた。だったら二人が身体を重ねるのはおかしなことじゃない。
抱いて欲しい、って考えてもいいんだ。…と、思う。多分。
「高梨くん」
わたしは腕を伸ばし、彼の首の後ろに回してぎゅっと引き寄せた。
「一緒に寝て欲しいの、今日。…駄目かな。そんなの」
「それは」
彼は一瞬言葉に詰まったみたいに黙った。が、程なくしてフリーズが解ける。素直にこっくり頷いた。
「…いいよ。一緒に、ベッドで。…寝ようか」
「うん」
彼に肩を抱かれて二人でベッドに近寄る。多分彼は、言葉通り朝まで同じ寝床で眠ろうって誘われたと受け取ってると思う。それがわかってても、ミスリードでいいから一緒にベッドに入ってくれたら、と願う。
そこからどう持ってくか。迷うし自信はないけど。
当たって砕けるしか、ない。
彼はわたしにベッドに座るよう促し、自分も隣に腰掛けた。それから肩を引き寄せ、首を傾けてわたしの顔に覆い被さる。さっきより少し激しい、熱っぽいキスを受けてわたしの喉が甘く喘ぐ。
「…、んっ」
「あぁ…」
彼も興奮して唇を震わせている。わたしは意を決して顔を離し、彼の肩に顔を埋めた。背中に腕を回してぎゅっと身体を押しつける。
何かを打ち明けるように潜めた声で囁いた。
「…あの、高梨くん。わたしのこと、嫌じゃなかったら、なんだけど。少し落ち着いて、話聞いてもらってもいいかな」
いきなりセックスしたい、とは切り出せない。多分彼も引くし。高梨くんはちょっと不審げに眉を寄せたが、曖昧に頷いた。
「…うん。いい、よ」
それから不意にわたしの身体に回した腕に力を込め、耳許で呟いた。
「嫌な、わけ。…ない。…何、話?」
「ん…」
わたしは彼からそっと身を離した。俯いて、自分の胸元のボタンに指をかけながら勇気を奮って小さな声で切り出す。
「わたし。…やっぱり、高梨くんと。一緒になりたいの。このままずっとは無理。そのためにどうしたらいいのかいろいろ考えてきた」
彼は黙り込んだ。多分、いろんな考えや感情がごっちゃになって押し寄せてきて一瞬アウトプットがままならなくなったに違いない。
でも、以前みたいに速攻拒絶はされなかった。それに意を強くして、否定の言葉が彼の口から飛び出す前にと急いで続ける。
「わたしも、経験がなくて。全然何もわからなかったから。
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