第15章 男はみんなこうするもの

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でも、それじゃ駄目だって思って。結構勉強してきたんだ。高梨くんを不安にはさせないから、絶対。…とにかく話だけでも聞いて。無理強いはしない。高梨くんがどうするか、自分で判断して」 不安な様子は見せないよう、落ち着いた口調で語りかける。その効果はあったのか、彼は怯えたりパニックになったりしなかった。そうか、やっぱり側にいる人間が不安定な精神状態だとそれを察知して影響を受けるんだな。そういう意味では自分はこの先がわかってる、って自信だけでもとにかく役に立ってるわけだ。わたしは思いきってそのままボタンを外し始めた。彼は何か言おうとするように口を開きかけたが、結局そこから言葉が飛び出してはこなかった。 上衣を肩から外し、下着姿になる。つまりブラだけ。普段自分の部屋で寝る時は着けずにいるけど、さすがに彼の部屋でノーブラはちょっと…、と思って常に着用してるから。外して?と頼もうかと思ったけど、これくらいのことでも怖気づかれたりホックが上手く外れなくて焦らせたりすれば流れがおかしくなる可能性がある。不確定要素はなるべく排除した方がいい。 わたしは自分で背中に手を回してそれを外した。肩から滑り落とし、彼の前にささやかな胸を露出する。 耳が燃えるように恥ずかしい。大した胸でもないし。でも、黙って俯いてるわけにもいかない。わたしは彼の顔こそ見られなかったが思いきって言葉を絞り出して話しかけた。 「あの。もし嫌じゃなかったら、でいいんだけど。…触って?男の子はみんな、好きな女の子のここ、触るものなんだよ。…わたしのこと、好きって言ってくれた、前に」 「うん」 彼は少し縺れる口調で急き込むように答えた。 「好き。…きみのこと」 全身がぎゅんとなる。思わず目を閉じ身体をわななかせた。ねだるような甘い声が自然と漏れた。 「じゃあ、触って。…ここ」 「うん」 彼の手を取って導く。全く抵抗はなく、されるに任せていた。やっぱり一つひとつ、具体的な見通しを見せてあげれば落ち着いて対応できるんだ。とにかく好きなようにしていいよ、と言われるのが一番困ったに違いない。 彼の手がわたしの胸をそっと包む。壊れやすいものに触れるように恐るおそるだけど。その柔らかい触れ方にじんとなる。 「…ああ」 抑えきれず甘い息をつくと、彼が堪えかねたように唇を重ねてきた。思いきったように両手で胸を包み、少し力を込める。
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