エピローグ とは 世界のはじまり

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 「えーっと、吾輩の辞書にお散歩も、二度寝もないのである。 あるのは、戦い。現実という戦場である。吾輩は現実と向き合うべく、心をこのお布団の中で整えている真っ最中!戦闘で例えるならば、心の後方支援である。」    そうだ。出ないぞ。出ない。俺は出ない。  布団をかぶり、衝撃に備える。  「布団から出たくない。出たくないのだ。現実が俺を迎えにくる。夢のようなお布団から出たくない。出たくない。出たく…ない…。しかしながら!!来る、きっと来る。あぁ来るのだ。テレビから出てるく長い髪の女性のように来るんだよ。俺の精神を砕く94dBの大音量。まさに轟音。この自己紹介によって4分が経過。布団に入っていられるのも残すところ2分となったところ。」  俺は想像する。  「妄想」ではない「想像」だ。  健康で、健全な、思春期の男子によくある想像だ。エリートサラリーマン25歳独身の言わば、心の思春期だ。思春期が何ぞや?という疑問がある学生は、Google先生にでも聞いてくれ。  俺は想像を続けよう。  朝は、可愛い奥さんが台所で味噌汁を作る。俺はもちろん、布団の中。  ガスコンロの上にはアルミ製の小鍋があり、2人分の小鍋に豆腐とネギの味噌汁がコトコトと音をたてる。まな板の上で、トントントンと大根の切れる音……。     
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