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俺は愛妻を抱きしめる。
妻「やーん? あぁ・なぁ・たぁ~。朝からぁ~らめぇ?」
「チッチッチッチッ…ビリーン!ビリーン!ビリーン!ビリーン!」
「くっクソー!!一番いい時に、現実ってやつが俺の想像を打ち破りやがる。今回の戦いも俺の惨敗というこかあ。」
俺の豊な想像を砕き散る「轟音」。
コイツはいつも、約束を果たすのだ!
まさに、その身が果てるまで。
律儀というか。しつこいというか。
高校時代のたった3人の友人であるM君から貰った悪魔のような目覚まし時計。
いくら想像力が豊かな俺でも、
布団で完全防御態勢でも、火災報知器レベルの音が鳴り響けば続行は不可能。
仕方なく、俺はベッドから出るのだ。
そう一人で。
本日は3月20日、春だか気温は9°で素足での床は非常に冷たい。
ワンルームのアパート月32,160円のフローリングは、ギシギシと軋む。
俺はすぐ脇の洗面所を通過し、トイレへとゴールした。
えーえー。ゴホン。咳払いを一つ。
紳士淑女の諸君。
なんとなく、気が付いていることかもしれませんが…。
自己紹介に一部修正が必要であることを謝罪致します。
氏 名:松本ただし
年 齢:25歳
性 格:不真面目という訳ではないが、人見知り
最終学齢:田舎の商業高校卒業
職 業:親父のコネで就職した田舎の建築会社の元営業マン。
昨日倒産して、今日からは無職。
家族構成:バツイチ独身。両親他界の天涯孤独。
愛する妻は、車で3時間かかる実家に帰って(離婚)しまいました。
交友関係:小学校から高校までの同級生(男)M + 残り2人 = 3人
趣 味:アニメ、漫画、映画、音楽鑑賞。
PS2のロールプレイングゲームを何千回とクリアすること。
〈本日の予定〉 ローワークでの離職手続き
俺の小さな物語は、今!
相棒の目覚まし時計!「轟音」によって幕を上げるのだ!
「ビリーン!ビリーン!ビリーン!ビリーン!」
でも早く、轟音止めなきゃ。お隣さんに怒られる。
けど、けど、ゴールから出られないし。
嗚呼。お隣さん。申し訳ございません。
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