第1章

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教室内がざわめく。 当然と言えば当然だ――。 金髪の妙な男が立ちすくむ男の髪を 執拗に撫で回しているのだから。 だけど彼の方は肝が座っているのか 周囲を気にする様子もなく。 「まず、出ましょう……」 気まずさと動揺から慌てて促したのは僕の方だった。 「おや、急に大胆になった」 道化師みたいにおどける彼の手を引いて 早足で廊下を行く。 まだ心臓がどきまぎしていた。 「……あなたは?」 何から聞いていいかも分からない。 「何が聞きたい?」 突然にして 僕が何ヶ月も探し求めていた答えの片鱗が 目の前に現れたのだ。 「とりあえず……名前を教えて下さい」
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