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「そんなのあたりまえじゃないか」
もともとそういうところのある人だった。
純粋というかすれていないというか。
近づきがたい流麗な見かけにそぐわぬ
気の抜けた愛嬌。
「そう思う?」
元は人見知りで控え目な性格なのだが
心を開いた人間には時折子供みたいな愛らしさを見せる。
「孔雀には孔雀の羽が生えてるさ」
言ったものの。
実際暗がりでそれを手に取るとたしかに。
手触りは妙にしっとりと冷たく
鮮やかな色合いも
目玉のような文様もひどく不気味で。
背筋にゾクリと冷たいものが走ったのを覚えている。
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