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もちろん境界線はあった。
「お兄ちゃんにキスして――」
「響也」
自分たちなりの境界線。
「ハグして親愛のキスを」
「はいはい」
熱のこもった抱擁も
時折冗談めかして唇を掠めるキスも
「ああ、可愛い僕の弟だ」
「あのね、僕もう十八だよ?」
あくまで兄弟愛の範疇で
それ以上でも以下でもないと――。
「僕はじき二十歳になる」
「中身は子供のまんまだけどな」
「なんだと?お兄様にむかって!」
「バーカ」
言い聞かせ始めたのはいつからだったろう。
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