ココア

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──チャリン。ピ。ガコン。 私は「暖かい」というより「熱い」カンを取り出した。 「熱っ。」 慌てて手とカンの間にブレザーの袖を挟み込む。 「ココアか、美香好きだものね。」 「まあね。」 「これだけ迷ってココア?」 「いいでしょ、好きなんだから。」 ──パコッ。 プルタブが音をたてる。白い湯気がふんわりとたつ。暖かくて甘いココア。その湯気のように口の中にふんわりと甘さが広がる。 「美味しかったぁ…。」 口の中は甘さの少し残ったにがさが残っていた。甘いけど少しにがさが残る、不思議だ。
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