かすみとおぼろ

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この青年、気魂(きこん)の術使い――世(よ)に満ちる『ものの気(き)』を操るものだ。 童は、悪びれる様子もなく返す。 ――『てんきよほう』で、いってた。 『このふたつに、おおきなちがいはありません。 そもそも、これはきしょうようごではないのです』。 ……わたしたち、わすれられちゃったんだね。 「あのな、おぼろ」 ――やまにきたおとこのこがね、『きりがかかってる』っていったの。 そうしたら、となりにいたおんなのひとがね、『ほんと、すごいもやだね』ってかえしたんだよ。 ……やっぱり、そうなのかな? 「かすみ、お前も……」 いい加減にしろ、と青年が声をあげようとした、 その時。
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