かすみとおぼろ
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(……ったく) 青年は頭を掻き、形代を拾い上げた。 腹の虫はまだおさまってはいなかったが、もうどうする術(すべ)もない。 気魂(きこん)の術にて呼び出したふたりの童(わらべ)はそれぞれ、 かすみは、残る夕景のわずかな光に。 おぼろは、濃さを増していく陰に。 戻ったのだ。
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