第2話 公開処刑

3/6
前へ
/25ページ
次へ
バルダーノ「いや、捕虜にしては多少反応がいいからよ。もしかしたら戦闘に関して自信があるんじゃねぇかなって」 バルス「あぁ、人を殺す事は得意だよ」 バルダーノ「ふっ」 バルダーノはバルスの剣を大きく跳ね除けバルスの姿勢を崩した。 バルス(やばい……!しぬ…!) バルダーノは次の瞬間バルスの右耳を切り落とした。 バルス「うおおああ!!」 バルダーノ「すぐには殺さねぇ。それじゃ興醒めだからな。観客が納得しない」 バルス「なんだと?」 バルダーノは右手に持ってる剣をバルスに向けた。 バルダーノ「できるだけお前らを劇的に殺してやる。お前ら捕虜はこのコロッセオにおいては只の余興だ。」 するとバルダーノの後ろからディアブロが飛び出してきた。バルダーノは一瞬反応が遅れて攻撃を受ける。ディアブロは鉄仮面を思いっきり斬りつけバルダーノは怯んだ。 ディアブロ「おらああぁ!!」 そして、ディアブロが鉄仮面の下から剣を切り上げると鉄仮面が宙に飛びバルダーノの素顔が露わとなった。その隙にディアブロはバルスの横へと走り出す。バルダーノの下顎は切れていて血が流れている。 バルダーノ「くそガキが」 ディアブロ「バルス耳が切り落とされてんじゃねぇか」 バルス「大丈夫だ。立てる。それよりお前こそ離れてろ。今のは奇襲が成功したが真正面から行ったらお前なんて1秒も持たないぞ」 ディアブロ「だから何度も言わせんなよ、バルス。子供扱いすんなって。」 バルス「死んでも知らんぞ」 二人は立ち上がりバルダーノと向かい合った。 ~コロッセオ来賓席~ コロッセオなどアリーナには一般客の客席と主催者や地位の高い人物たちがいる来賓席がある。来賓席には今回の主催者の皇帝や剣闘士を提供しているラニスタや元老院なども参席していて皆優雅にワインを片手にフルーツを食べながら観戦している。その中でラニスタの一人であるガリウスという若干20歳の男がいる。 ガリウス「アウレリウス陛下、今回の捕虜たちは若いですね」 アウレリウス「そうだな。年の割にはいい戦いをしている。小さい方なんかはまだ10代の前半だろう。ガリウスとあろう者が同情でもしているのか?」 ガリウス「いえ、ローマに刃を向けた者は等しく罪人です。」
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加