走馬灯ジャンパーは回さない

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「それはカケルが感謝の心を忘れないからよ。“ありがとう”と笑える人に必ず幸福が訪れるんだって」 「そうだと……いいね」 「きっと幸福になれるわ」 マナミがギュッと手を握り返した。 (ああ、神様はホットポテトを回していない。回していたのは、このぼく自身だったんだな) 「もう、不運を回さないよ」 ぼくはかたく誓った。 そこのきみ、きみは自分が不幸だと思っていないか? 知らないうちにホットポテトを回していないか。 でも、その生き方は間違っているよ。 よくよくまわりを見渡してごらん。 きみを想ってくれる人が、必ずいるはずだからね。 ──走馬灯ジャンパーは回さない  終。
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