1401600分の1

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父親が出勤したのだろう、玄関のドアの開閉する音がした。 ノソノソとベッドから這いずるようにキッチンへ向かった。 テーブルには自分のために準備された朝食と弁当があった。 「あぉはよー」 へその横を掻きながら寝ぼけた声で母親に挨拶をした。 「あっ、おはよう。早く食べないと補習に間に合わないわよ」 母親はフライパンを洗いながら顔だけこちらに向けて言った。 「んー、今日は休むわぁー。ダリぃー」 そう言いながらトイレに向かった。 背後から母親の「夏風邪かしら」と声が聞こえた。 残念。ズル休みだよん。 母親を若干馬鹿にしつつ狭い個室の中で時間がないのにズル休みしてしまう自分にイラついていた。
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