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運営は、個々の「業」の嵩により10月10日から学生の秘密を公開すると宣告したうえ、意に背いた2名の学生の恥態を見せしめに晒してみせた。
多くの学生が期限までに業を減らす術を模索し始める一方、真っ先に警察に駆け込んだ学生により事件を認知した警察は捜査に乗り出す。
だが、2日後の9月末日に説明会で警察が学生に突き付けたのは厳しい現実で、運営のサーバが中国にあり早期解決が困難であるという見通しだった。
「目立つな」というのが真琴の父の指針であったが、真琴は構内に拠点を移した捜査本部の松下刑事に協力を申し出たほか、学生が疑惑を向けたアプリ研究会の小暮と知り合うなど、義憤の赴くまま行動する。
また、匿名の悪意に満ちたカレン掲示板は図らずも真琴の想いを結び、果たして真琴は島田と恋仲となる。
しかし、ひとときの安息も許さぬ運営は10月1日の夜、新たに「カレンコレクション」というゲームアプリの攻略を学生に課す。
この「カレンコレクション」は3人でチームを組む仕組みがあり、真琴は学科の友人である愛や早紀と袂を別ち、島田そして理沙とチーム「つるぺた」を結成する。
並行して松下刑事と情報交換する中で、真琴は自分の「徳」が1年生の中で突出しているという特異性を知るとともに、運営がユーザに付与している「優等生」「普通の人」などの称号のうち「賢者」という称号を持つ者に警察が関心を抱いていることを知るが、気心の知れた愛が「賢者」であることに違和感は抱かない。
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