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「業」に追い詰められた上級生らによって構内が急速に危険な場所に変わっていくのを肌で感じて先行きを案じる真琴であったが、ある朝、愛の異変に気が付く。
それまで一貫して冷静かつ慎重で「賢者」という称号が相応であった愛の言動が一変し、憑き物がとれたように明るくなったのだ。
真琴はその理由を愛に追及するが判然としない。
学生の弱味を握り、学内を大混乱させている運営を「宗教のようなもの」と評し、あたかも共感するような愛の言動について、真琴は松下刑事に報告する。
そこで松下が真琴に告げた衝撃的事実、それは9月28日の夜にカレン運営に恥態を晒された学生2名は、犯罪者として運営から告発され、その日の昼間のうちに警察が逮捕していた者であり、ここまで警察は運営からの一方的な連絡を受けながら捜査をしているというものであった。
併せて真琴は、最初に警察に駆け込んだ勇敢な学生というのが運営から指示を受けて警察が創りあげた虚像であったこと、そして運営から「賢者」の称号を受けている学生は、真琴たちより遥かに早い時期から運営に弱味を握られて業務の一部を強いられてきた者たちであること、さらには未だ運営からの要求がなく、この大がかりな事件の目的が分かっていないことを知る。
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