24人が本棚に入れています
本棚に追加
あの日から、父ちゃんはよく泣く。
あの日までは、泣いた父ちゃんなんて見た事が無かった。
そして今日も父ちゃんが泣いた。
嗚咽を上げ、号泣しながら僕にしがみつく。
きっかけは幼い僕の一言だった。
ブランコを父ちゃんが押して、僕の目に映る世界は透き通る青空になる。
その中にぽつんと浮かぶ、花びらを散らしてしまった桜の木。
「父ちゃん……母ちゃんと一緒にお花見したの覚えてる? またやりたいな……」
最初のコメントを投稿しよう!