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日曜日の朝。
顔色の悪い父ちゃんが頭を抱えていた。
「父ちゃん、大丈夫? 気分悪いの?」
「ははっ……大丈夫だよ。それよりさ、今日は父ちゃんと花見しないか?」
「お花見!? 行きたい! ……あっ、でも……桜は散っちゃったよ?」
「だっ、大丈夫さ! 父ちゃんに任せな!」
声が震えてる。
母ちゃんとお花見なんて言ったから、父ちゃんは無理してるんだ。
「父ちゃん、僕はお花見じゃなくても……」
僕が声を出すと同時に、玄関のチャイムが鳴った。
「本当に来たのか? 行くぞ、光一!」
父ちゃんの息は荒いし、繋いだ手は汗ばんでいる。
何が始まるの?
首を傾げたまま、僕は玄関まで連れて行かれた。
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