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トントン拍子に話は進み、
5日後には、顔合わせに店へ訪れていた。
【Dining bar four season】
店名が下げられた大きな門扉の奥にはテラスがある。
2人がけのテーブルと小さな池
緑が豊かで、そこかしこに薔薇と思われる花が咲いている。
ジュリアンが置いてある所なんて、初めて来たなー、と
真っ白な男の子の像を、眺めていた。
ーカランカラン
ドアベルの音がなり、
視線を左へ移すと
まだ見慣れない顔が姿を見せた。
「いらっしゃい。今アイドルタイムで誰もいないから入って、オーナーも来てるよ」
「一宮さん、こんにちは。綺麗なお店ですね」
「その庭、オーナーの趣味なんだよね。水やりが結構面倒なんだ。…さぁどうぞ」
促されるままに店内に足を踏み入れると、
白く短い廊下があり、その先にはテーブルが等間隔に並べられている。
その一つに、細い人影があった。
「こちらがオーナー兼店長の中田さん。で、中田さん、こちらが俺のスカウトした、篠原 秋夜〈シノハラ シュウヤ〉君」
どう見ても、幸薄そうなヒョロッとした冴えないオジさん
優しそうではあるが、シェフのようなイケメンオーラは一切無い。
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