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学校に着いた二人は忍び足で校舎へと入り、教室のドアを開ける。
そしてかばんを持ち、忍び足で帰ろうとした瞬間、ドアがすぅーと開いた。
二人がゆっくりと開かれたドアへと視線を向けると、そこには凍り付いた笑顔を浮かべるライアが立っていた。
その後二人が、お尻叩きの刑を喰らったのは言うまでもないだろう。
帰り道、お尻を擦りながら、二人は笑い合った。
あんなに痛いお尻叩きの刑ではあるが、それもいつしか二人の思い出になるだろう。
二人の出会いの場であり、別れの終着点でもある坂道を下り切った。
あんなに笑い合っていた二人だが、みるみるその笑顔は消えて行く。
そして長い沈黙を経て、お互いがまた会えると信じ、握手を交わした。
その後リアンは、ドニーの背中が見えなくなるまで、涙を流し見送った。
ドニーは泣き顔を見られたくないから、振り返ることはしなかった。
「ただいま」
酒場に戻ったリアンはジャンに言った。
「リアン学校から電話あったぞ……訳は聞かないが、もうだめだぞあんなことしちゃ」
ジャンはリアンの頭を軽く小突いた。
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