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鞄に荷物を詰め終わったリアンは、部屋に飾ってあるフェルドが描いた絵を布で包んだ。
そしてジャンの替えの下着などの荷物を、別の鞄に詰めると、今まで育ててくれた感謝の手紙を書き、テーブルの上にそれを置くと、名残惜しむ背中だけを残し、一階へと降りて行った。
「…リアンそんなに荷物持ってどこに行くんだ?」
昔の常連客が尋ねた。
「…うん、ちょっとね…おじさん、お願いがあるんだけど…みんなが飲み終わったら、店の鍵を閉めて、この荷物と一緒にジャンに届けて欲しいんだ」
リアンはそう言って、昔の常連客に、鍵とジャンの荷物の入った鞄を手渡した。
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