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「…あなたがリアンを育ててくれていたのですか?」
「親友の子供ですし…自分の子供だと思っていますから」
「…ありがとうございました」
マドルスはしわくちゃの手でジャンの手を握り締めながら、涙を浮かべている。
「…これは今まで育ててくれていたお礼です」
マドルスは握り締めていた手を離すと、床に置いた鞄から、何かを取り出した。
それは紛れもなく、ジャンが見た事がないような、幾つもの札束だった。
「…そんな物いりません」
ジャンは金を受け取らなかった。
「…リアンを私に返して貰えないでしょうか?」
「…返すも何も、私の自慢の息子ですし…」
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