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しかしマドルスは、これからはこの家にいるマドルス以外の者には、お礼は言ってはいけないと言った。
彼らはマドルス達に仕える事が仕事なのだそうだ。
「…うんわかった」
リアンは、マドルスの言っている意味をあやふやに理解しながら、返事をした。
「それから、わかったじゃなくて、わかりましただからな」
「…はい…わかりました」
穏やかな顔に滲む、厳しい表情を見詰め、リアンは答えた。
「ここ、お前の父さんのフェルドの部屋だったんだぞ」
マドルスは部屋を見渡して、両手を広げた。
「本当…パパの部屋だったんだ」
リアンもまた、部屋の中を見渡し、答えた。
そう、『見渡す』という表現がぴったりな程、広い部屋だ。
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