4人が本棚に入れています
本棚に追加
「すみません!通りま~す」
「あぁ、危ない」
走って改札を降りてくる男性を避けようとしたら、バランスを崩して階段の手すりにしがみつく。
ギリギリ転倒することは免れた。
ーーなんだ、私の反射神経もまだまだ棄てたもんじゃないわね。
その後も、壁の如く降りてくる降車客を避けて一段ずつ階段をあがると、列車は出発時間を過ぎているのに、まだホームに停まったまんま。
「あら、私を待っていたかのようね」
何となく、気分がいい。
隙間なく、ビッシリ詰まった人の中に、無理矢理体を入れて列車に乗り込むと同時に列車の扉は閉まった。
最初のコメントを投稿しよう!