第1章

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目を覚ました僕がやれることは...無い。 戻り方を考える? いや、片っ端からやれる事をがむしゃらにやった所でなあ。 時間が無駄になるだけだ。 途方に暮れ、何となく腕立てを始める。 無限にできそうだが、これ以上ゴリラ分を増やすメリットはなにもない。 既に飽和状態を超えている。 母が「朝食できたよー」と階下から僕を呼ぶまでしばらく頭を抱えていたが、そんなに都合よくいい案が浮かぶはずも無く。 階段を下り、ダイニングの椅子に座ると、嫌な音を立てて軋んだ。 「ゴリラって鮭食べても大丈夫なの?」 母が心配そうに聞くが、最悪腹を壊す程度だろう。 問題は無い。 こんな体になった上に好物まで奪われてたまるか。 箸を手に持つと、へし折れた。 まずやるべき事は力加減の練習だな。 ひとまずの方向性が定まっただけよしとしよう。
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