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◆プロローグ『白い世界』 「毎日退屈だなぁ、おやっトラックだ」  バーン。痛い。  そして、気づくと僕は白い世界に居た。 「やぁ、いらっしゃい」 「えっえっ、誰ですか?」  キョロキョロと周囲を見渡すけど誰も居ない。 「わしは声じゃ、体は無いので探しても見つからんぞ」 「なにそれ怖い。それにここはどこ? 地面も空も白くて、マジで怖い」 「別に怖がらなくて大丈夫、死んだだけだから」 「えっ、うそ。僕ってば死んじゃったの?」 「トラックにバーンして即死だったね」 「あぁぁぁあ~、ぶつかったのは、覚えてます……」 「わしも見てたんだけど、あれ横にぴょんってジャンプ出来なかったの?」 「無理無理無理、ああいうときって体が動かないですよ。トラックがギキィィイッとか凄い音出すから、体がびびって固まっちゃうの」 「そういうもんかねぇ……」 「えぇ、人間の体ってそういうもんです」  僕はあらためて自分の体を確認した。  トラックにぶつかって即死したらしいけど、ちゃんと五体満足で、怪我もしていない。
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