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そう言えば、食事…ということが存在することすら忘れていた。昔は、腕のいいコックを自分のものにして、よく料理を作らせていた。
だが、その男は、悪魔のクルブに奪われてしまった。
ナヴァルは、大嫌いな子供に囲まれて、ジアと、そして一人の女性と共にランチを取った。
女性の名はライラ。近くに住むジアの友人らしい。
ナヴィルは彼女がとても気に障った。
天使だったからだ。
ライラも、ナヴァルが悪魔だと気付いたようだったが、その事は何も言わなかった。
ジアの近くに天使がいるのは気に入らないが、邪魔さえされなければそれでいい。
見たところライラの天使の力はとても弱い。
「ナヴァルはどこに住んでるんだ?」
ジアは子供のように屈託のない笑顔で聞いた。
「丘に…」
「丘?ああ、丘の向こうの村?」
「ああ…」
小さな子供たちがテーブルの周りを走り回る。
ライラは
「座りなさい」
と、優しく子供の相手をしていた。
「村で何してるの?」
ナヴァルの声が、適当な返事をする瞬間、小さな男の子がナヴァルの頭を叩いた。
うんざりだ。
「カナン、止めなさい」
ジアはカナンの小さな手を取って、人差し指で軽く叩いた。
カナンはニヤっと笑って、隣の部屋に一度走って行くと、また戻ってきた。
そして、またナヴァルの膝を叩いた。
「カナン!」
ジアが少し大きな声で怒鳴った。
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