プロローグ

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親友が死んだ。 木曜日の五時間目の日本史の授業の時、彼女は校舎の屋上から飛び降りた。 成績もよく、部活動でも1年生ながらもその実力を買われレギュラー入りまでしていた。 人当たりもよく、活発で常にクラスの中心になっていた彼女が死んだ。 眠気を誘う午後の授業に走る戦慄。 彼女は確かに死んだのだ。 地面に叩きつけられ、脳みそをぶちまけながら死んだのだ。 今、目の前の白い棺に横たわっている親友だったそれが彼女が彼女でいなくなってしまったことを物語っている。 私の唯一無二の親友、私の理解者、私の大好きな彼女────。 死んだ、だが、それでよかったのだ。
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