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ー稔麿side//ー
あの日、あの時
俺から色が消え失せ、感情が消えた
違う.....苛立ちと憎悪という感情に支配されたんだ
所詮、他人なんて風見鶏で
風が吹けば其方を誰もが向いてく
俺の心の中は、常に暴風で
ぐるぐるぐるぐる狂気が吹き荒れ
風見鶏にすらなれない
あの人という道しるべがない
あの日、あの時から
俺には月が昇らない
無残に奪われたあの命が欲しくって
無残に、無残に、奪って、奪って、奪って
幾ら血に染まろうが、俺に色はない
幾ら命が消え去ろうが、戻らないあの命が
俺は、何を目標にすればいい?
あの人も奪われ.....色も感情も心さえも奪われ
この苛立ちと憎悪に唯、委ねて
随分、人を斬り裂いてきても
残ったものは、やはり憎悪と嫌悪
無限に繰り返す憎悪の輪
俺が誰かに奪われた大事なあの命
俺が奪った誰かの大事な命
止まらない、止まらない、止まらない
憎悪の輪
無限に拡がるだけの奈落の底
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