一瞬・・・だった

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 僕はその前を通って広場にむかった。  広場に友達が来ているかもしれないと思ったからだ。しかし、友達は来ていなかった。 『もう1回、友達の家に行ってみよう』  そう思った僕は、今度はどぶ川に沿って車道を歩いて向かった。  いつもの道だ。  いつもの風景だ。  いつも牛乳と食パンを買っているおばさんの店がある。そこを右に曲がって歩くと、さっきの樹木伐採工事をしている前を通る。  もう目と鼻の先。5メートルもない。  僕の気持ちは、『遊びたい』という欲求だけで、早く行かないといけないという思いだけが先走っている。  周りの状況など見えていない。  耳に響き聞こえるのは、エンジン付きチェンソーの音。 「もう直ぐだぞ!」という作業員の声が聞こえたが、それはチェンソーの音にかき消され、はっきりとは耳に聞こえなかった。  そしてもう一つの音。
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