5人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
僕はその前を通って広場にむかった。
広場に友達が来ているかもしれないと思ったからだ。しかし、友達は来ていなかった。
『もう1回、友達の家に行ってみよう』
そう思った僕は、今度はどぶ川に沿って車道を歩いて向かった。
いつもの道だ。
いつもの風景だ。
いつも牛乳と食パンを買っているおばさんの店がある。そこを右に曲がって歩くと、さっきの樹木伐採工事をしている前を通る。
もう目と鼻の先。5メートルもない。
僕の気持ちは、『遊びたい』という欲求だけで、早く行かないといけないという思いだけが先走っている。
周りの状況など見えていない。
耳に響き聞こえるのは、エンジン付きチェンソーの音。
「もう直ぐだぞ!」という作業員の声が聞こえたが、それはチェンソーの音にかき消され、はっきりとは耳に聞こえなかった。
そしてもう一つの音。
最初のコメントを投稿しよう!