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静岡の病院でも、一通りの検査をうけた。 彼の職場の親しいドクターからの紹介医師だったから、彼も担当医師に挨拶をと付き添ってくれた。 入院中の女医は、愛想のない厳しい雰囲気だったが、 紹介された担当医師は、副医長と言う立場なのに、腰が低くて、話し方も優しかった。 ここへ来る前、退院が決まった金曜日に、切迫早産で入院中だと事情を伝えて、予約を入れてきた。 「入院の準備して来てください」 と言われていたから、 診察から戻ると、持参した大きなバック2つ抱えて彼は目を瞑って待合室に座っていた。 隣に座ったら、私の気配に気づいて、眠たそうな顔して彼が目を開けた。 「診察終わった?」 「うん。ごめんね、お待たせしちゃって。待ち時間長いよね。さすがに、順番飛ばして優先なんて、そこまでのVIP待遇は無理かー。」 「総合病院だから、仕方ないよ。」 語尾は、あくびを含みながら、腕をあげ 伸びをしてまたしても眠たそうに彼が言った。 明日から仕事だから、今日このあと運転して家に帰る彼が心配になる。 「実家だと眠れなかった? あ、それとも、運転疲れがまだ取れない?」 「ん…そういう訳じゃないんだけど、ごめん寝てた。」 「昨日も遅くまで、お父さんに飲まされてたもんねー、疲れたでしょ。 まだ、今日このあと帰らないといけないし、休んでて。結果まだ呼ばれなそうだし。」 総合病院の、待ち時間は、相当長くて、お互い待ちくたびれていた。 それでも、入院手続きがあるからと、付き添ってくれているのだ。
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