櫻の巨木と青年の"シタイ"

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彼女が去るのを見届けたように『さわさわさわ』と音がして、先程まで満開だった花が姿を消した。 ─── ──── 『泣かないで、辛い想いをさせてごめん。 灰色だった僕の世界は、キミに出逢えたて世界が輝かしい色を射した。 ─── キミを愛し、キミが愛してくれて 僕はこの上なく幸せだった。 僕の躯は捧げる事が出来ないけれど、 代わりにキミを慕う気持ちを"慕意(シタイ)"としてこの櫻に捧げるから……… だから、 だからもう、立ち止まらないで、前を向いて。 ─── キミはキミの為に幸せになって。 キミが望むなら僕は何度だって涙を拭ってみせるから、 ───── 約束するよ。 だから、笑って!笑顔を絶やさないで。 ──── いつまでもキミの幸せを祈っているよ』
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