満開の桜

８歳も年上の姉は僕にとっては大人だった。

姉弟とはいえ８歳も離れていればケンカなどしたことも無く、

……いや、年が離れていなくても姉さんとはケンカする事はなかっただろう。

それくらい優しくて温かい人だった。

僕が幼稚園の頃は公園なんかにもよく連れて行ってくれた。

さっきの子供みたいによく転んだけれど、

いつも姉さんは駆け寄って来て、後ろからそっと抱き起こしてくれたっけ。

その時に姉さんの髪がサラッと揺れてシャンプーのいい匂いがして、くすぐったいようなイイ気持ちになったんだ。

シャンプーなんて自分も同じもの使ってたハズなのにね。