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「はぁ、生ぬるい。そして赤い!」
赤ずきんちゃんは、オオカミのおなかの中でスマホ片手にブツブツ文句をいった。
キンカーン。
不意にSNSの着信を知らせるアラームがなった。
スマホの画面には 『@食後のデザートさんっ』からの(状況を求む)というメッセージ
赤ずきんちゃんは、けだるさを前面に押し出して、バラバラになったおばーさんの頭を取り出し、リンゴをかじるような仕草で、
「やった。これマジやばくね?」
と、「送信♪」とこぼし、更にいろんな角度とポーズを変えてSNSに連続投稿する。
すると、物凄い勢いでフォロー数が伸び、あかずきんちゃんのテンションはMAXだ!
「ふすふすふす。あすわがだから。明日は我が身だから!ふすふすふす」
あかずきんちゃんは、上機嫌にひとりごちしつつ、バスケットからポテチを出して、ムシャムシャと食していると、不意に狩人から電話が着た。
「あん?うん。今、ばばーのとこ。っていうか、オオカミ市、胃の中町?みたいな?w
ふすふすふす。」
赤ずきんちゃんは狩人を鼻であしらう。
「うん?なんだよそれ?ママさん心配しんてゾ!早く戻ってコイ」
「いや無理、イケネ。てか、只今絶賛消化中~みたいな?!ふすふすふす」
「あんあ?てめーあかずきん。ふざけんなママさん本気で心配してんゾ!」
狩人は赤ずきんちゃんのふてぶてしい態度に本気で激怒し叫んだが、対照的
に赤ずきんちゃんは不逞の態度を貫き通して、
「いや、ふざけてねーし。オオカミに食された。ふすふすふす」
と、今度は少しだけ真面目に返す。
「はー?なんだって?意味わかんねーぞ」
「あ、いや、マジでばばーのとこにワインとケーキ持ってきたらオオカミにぱっくり
食われた」
「マジで?」
赤ずきんちゃんの驚愕の言葉に狩人も思わず小声になる。
「うん。マジだって」
「今、そっち行くから、頑張れよ!」
狩人はそう言い残し電話を切った。
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