『記録の本をロードしますか?』

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「マ、マジかよ……こ、こうなったら俺だけでも戻って……」 彼らに構う事無く、森の入り口に戻ろうとした彼の頭に不思議な声が響く。 ー今は戻ることができない!声の方向へ向かおう!ー 「……っ!?だから、誰の声だよ、これっ!!」 無視して戻ろうにも、体が勝手に反転して同じメッセージが繰り返される。 「マジで死亡フラグかよ!?あああっ!」 挙句の果てには、ギザの意思とは反対に彼の体は森の奥へと駆け始めていた。 「誰か……誰か俺を助けてくれー!!」 叫びながら森の奥へと進んだ彼が見たものは……語るまでも無い。 ー記録の書をロードしますか?ー ー『はい』か『YES』でお答え下さいー 「『いいえ』を選ばせてくれー!最初からやり直しさせてくれー!」 本日、十二回目のロードに臨んだギザは誰ともわからない声に叫ぶ。 「ふふっ…….残念。君の選択肢に『いいえ』は存在しません」 ギザに聞こえないように、小さな小さな声で答える謎の声の主だった……。
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