1人が本棚に入れています
本棚に追加
「マ、マジかよ……こ、こうなったら俺だけでも戻って……」
彼らに構う事無く、森の入り口に戻ろうとした彼の頭に不思議な声が響く。
ー今は戻ることができない!声の方向へ向かおう!ー
「……っ!?だから、誰の声だよ、これっ!!」
無視して戻ろうにも、体が勝手に反転して同じメッセージが繰り返される。
「マジで死亡フラグかよ!?あああっ!」
挙句の果てには、ギザの意思とは反対に彼の体は森の奥へと駆け始めていた。
「誰か……誰か俺を助けてくれー!!」
叫びながら森の奥へと進んだ彼が見たものは……語るまでも無い。
ー記録の書をロードしますか?ー
ー『はい』か『YES』でお答え下さいー
「『いいえ』を選ばせてくれー!最初からやり直しさせてくれー!」
本日、十二回目のロードに臨んだギザは誰ともわからない声に叫ぶ。
「ふふっ…….残念。君の選択肢に『いいえ』は存在しません」
ギザに聞こえないように、小さな小さな声で答える謎の声の主だった……。
最初のコメントを投稿しよう!