ーCATー

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あれはいつの日だったか。 あたしがいつものように日向ぼっこに励んでいると、一匹の犬が通りかかった。 白くてヨボヨボで、ボサボサな犬。 中学生くらいのお姉さんと、一緒に散歩中らしい。 そいつはあたしを見て、何か語りかけてきた。 なあ、猫。 おれはもうすぐ死ぬ。 近いうちに死ぬと思う。 そのとき、こいつらが悲しむと思うんだ。 ……悲しんでくれるはずだ。 だから、おれがいなくなったときに、こいつらのそばにいてやってほしい。 そうだな、クリスマスあたりから来てくれ。 それまでは頑張るから。 なんにゃ? 遺言か? そうやって他人ならぬ他猫に役目を押し付けるのはよくにゃいと思う。 立つ鳥跡を濁さず。 立ち去るときは、自分で綺麗に後始末していくことにゃ。 まああたしなら、そに鳥が立つ前に食べちゃうところだけど。 その犬は、お姉さんに引っ張られて行ってしまった。 ああ、でもクリスマスか。 よくわからにゃいけど、その日人間は美味しいものをたくさん食べるらしい。 これは行くべきにゃんね。 行く家が増えたら、その分ご飯も増えるんだし、損はにゃい。 鳥が立った後は、あたしが綺麗に片付けてやるにゃん。
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