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先生は、イケメンだ。
それもすごく。
モテるのは、見た目が物語っている。
だけど、私には分からない。
教師と生徒が恋愛とか。ドラマじゃあるまいし。
どっちにしろ、この人は恋愛対象外。
恋愛なんてバカバカしい。
好きだとか、恋だとか、愛だとか。
そんなものの何が楽しいのかわからない。
女なんて生き物、大嫌いだ。
自分の母親の男を誘う上目遣い。
卑猥な喘ぎ声。
男の下で啼くその姿には吐き気がする。
快楽だけを求めるその姿は、なんとも滑稽だ。
恋愛なんて、クソくらえ。
「そのうち真面目に受けるよ。ベット借りるね。」
「はあ。その台詞何度目だよ。2時間だけだからな。」
そう言うと、先生はまたパソコンに目線を戻す。
あんまり干渉しないこの人のスタイル、嫌いじゃない。
無意味な、見かけだけの心配をされるより。
かえって無関心な方が私にはありがたい。
きっと、この先生はわかってる。
時々一言多いし、ムカつくけど。
なんだかんだ言って、一番楽な先生かもしれない。
1番窓側のベット。
定位置になっているそのベットに寝っ転がる。
ふかふかの布団からはお日様の匂いがして。
先生が干しているのかと思うと、なんともアンバランスで思わず笑いがこぼれる。
昨日全然寝ていないせいか、瞼が重くて。
5分も経たないうちに、私は夢の中へと堕ちた。
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