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海岸線。ここの通りは夕日が反射して映える海が綺麗なのと砂浜に隠れている貝の抜け殻を集めることに寄り道していたことがあった。で、その貝を水切りの様に投げて遊んだのだ。海を見れば、それが鮮明に思い出す。
輝「いやぁ懐かしいなこの道」
浅「だよな。あれからもう7年も経ってるんだからな」
コンビニの袋から棒状のアイスを取り出し、がぶりつく。浅頼も俺の袋に手を突っ込み、ソフトクリームを取り出す。
輝「しかしさ、俺ら、双子でなんでこんなにも違うんだろうな。たった1分違いなのに」
浅「確かに輝央は一個下扱いだもんな。双子なんだし、同じ扱いにしないんだろう?」
輝「まぁ法律だから仕方ないのかもな」
「こんにちは」
すれ違いに小さい子供が俺たちに挨拶をしたので反射的にこんにちはと返す。教育がしっかりしているなーと感心していると、縁石を乗り出し、車道を横断したのだ。
輝「!!あぶねぇ!」
この時間帯の道路は交通量は少ない。だから、車をよく飛ばしている輩が多い。今にも反対車線から120キロ近い速度で彼女に向かっていた。しかも、その運転手は窓を全開にして海を見ながら運転している。彼女は車道の真ん中に突っ立って俺たちを見ている。
浅「おい、輝央!」
輝「くそ!教育なってるなと思っていた矢先に何してんだあいつ!浅頼、石投げて運転手に前向かせろ!」
浅「石なんてないよ!あるとするなら砂しかないよ!」
輝「砂音速でなげろ!そしたら石と変わんねーよ!」
浅「無理だバカ!つか、お前があぶねぇって言ったせいで彼女止まったじゃん。あのまま行っとけばなんも無かったのに!」
浅頼の言った通り、彼女はそのまま通っていれば、すれ違いで何事もなかったのである。そんな、先の読めない輝央は、つい叫んでしまい、助かる道を事故らせる方向に変えてしまった。車はもう10mを切っていた。もうだめだと青ざめて絶望した。そして彼女はその車を気づき、
「邪魔」
その車は彼女とぶつかる寸前、謎の光によって消える。良かった、助かった。けど、あの車ってどこに行ったのだろう。そう思っていたのはつかの間、その車を発見した。そう、俺たちの前にあった。いや、現在進行形でこっちに来ている。…あ、これ死んだ。
そして後日、俺たちはニュースで取り上げられた。
「見通しの良い海岸道路で交通事故。高校生二人死亡」
と。
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