4人が本棚に入れています
本棚に追加
僕がやや興奮気味にふざけて言うと先輩は引き気味になった。まあ、初対面の人にこう言われたら引くわな。謝罪しておこう。
「すみません。先輩。一体どういうご用件でしょうか?」
俺が先輩と同じ目線になるように背中を丸め、膝を曲げた。すると先輩は驚くべきことを言った。
「あたしはね。他に好きな人がいるの。だから、お前とは付き合えません。じゃあな」
そう言って颯爽に立ち去ってしまった。僕は衝撃のあまり膝が折れてしまった。まさか先輩が好きな人がいるとは、おとぎ話の王子様か、スーパーマンか、それとも妖精か……?
僕がそうこう考えてるうちにまた屋上のドアが開いた。そして、ドアが閉まる音とゆっくりと近付いてくる足音。今日も来たか。
最初のコメントを投稿しよう!