1 生贄の少女

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だが、カルスにもやる気はあるのだ。 ここは、僭越だが私が出しゃばるとするか。 「ミネア様……」 「けっ、剣の稽古なら、これからするのです! 兄上と! 嘘など、ついておりません!」 弁護の言葉を発する前に、カルス自身によって意気込みが告げられたことで、一旦、口をつぐんだ。 「まぁ、シュギル様とお稽古を? ――――よろしいのですか? シュギル様」 「もちろんです」 カルスから私へと流れてきた視線に、微笑んで頷く。 「カルス、早速始めるぞ。剣を持って奥庭まで来い。私は先に行って待っている」 「はいっ!」 「――では、ミネア様。私も、これにて失礼いたします」 勇んで走り去っていくカルスの後ろ姿を見送り、ミネア様に丁寧に礼をした。 今からなら、夕刻までにかなりの時間、打ち合えるだろう。
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