6 覚悟の重さ

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「……ふぅ……」 誰もいない部屋で独りきりになれば、長い溜め息が、知らず、こぼれ出ていく。 自覚していなかったが、少し神経が疲弊しているのかもしれない。 それほど、今日は様々な出来事が起きていた。 「ルリーシェをあれほどに泣かせてしまったしな」 今頃、どうしているだろうか。 目元を腫らした彼女を見て血相を変えたノルンに詫び、ルリーシェを託してきた。 「もう、泣いていないと良いのだが……」 そういえば、あのやかましいノルンが、ルリーシェを泣かせた私に食ってかかりかけた時、ロキがひと言注意しただけで途端に口を噤んでおとなしくなったのは意外だった。 まぁ、ふだん丁寧な口調と穏やかな仮面で隠してはいるが、ロキの本性は苛烈そのもの。 私とともに戦場へと赴く時は、冷徹で非情な副官、兼、参謀に変貌する。 その度に、ロキが味方で良かったと、しみじみと安堵するほどだ。 そのロキが、私とルリーシェにふたりで話す時間を作るためにノルンを部屋から連れ出してくれた時に、その片鱗をほんの少し見せていた。 もしかしたら、私たちが話をしていた間に、仮面を脱ぎ捨てた顔でノルンに説教でもしたのかもしれない。気の毒なことに。
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